コトラーは市場における地位により企業が取る戦略が異なることを説明する為にPPMとポーターの差別化戦略の考え方をもとに①リーダー②チャレンジャー③フォロワー④ニッチャーに分類した
リーダー
リーダーは業界最大のシェアを持つ企業を指す、経営資源を豊富に持ち収益やイメージの面で他社に勝っている場合の基本戦略は全方位戦略で市場の大部分をカバーし最大シェアをキープする、また市場全体の規模拡大もリーダーの基本戦略である。トップの地位が安泰であれば市場全体の拡大は即ち自社の売上・利益の拡大を意味するからである。
この場合のマーケティングミックスは中高級品のフルライン生産、高いシェアを獲得するため低価格設定、マス広告によるブランド構築と広範なチャネル展開である
チャレンジャー
チャレンジャーは業界で2-3番手のシェアを持つ企業でリーダーに挑戦するのに必要なのはシェアの拡大で基本戦略はリーダーとの差別化になる。なぜならリーダーと同じような製品やサービス、技術、流通で勝負しても経験効果などからリーダーのコストリーダーシップに対抗するのは難しいからである。
差別化の方向性は消費者の需要変化を捉えた新製品開発への投資やチャネルを先に押さえてブランドイメージを構築するなどの戦略をとる事でリーダーとの立場逆転を狙う
フォロワー
フォロワーはシェアは大きくなく経営資源の点でもリーダーやチャレンジャーに対抗できない企業を指す。リーダー企業に対し差別化できるほどの経営資源は無く、同質化してもコストの面で勝てないためフォロワー企業の基本戦略は模倣になる。
リーダーやチャレンジャー企業が開発した製品を模倣する事ができれば開発リスクや開発コストを抑える事ができ一定の消費者から支持される可能性がある。
ニッチャー
ニッチャーは業界での市場シェア小さいが特定分野で強みを持っている企業を指す。リーダーやチャレンジャーのように広い顧客層を相手にするのではなく、これらの企業が重要視していない市場セグメントや特定の製品分野に資源を集中させる事が基本戦術になる。
特定の分野に集中する事でコストリーダーシップか差別化を実現する必要がある、ただしニッチャーが相手にしているセグメントにリーダーやチャレンジャーが参入して来るリスクがあるので参入を阻止できるだけの技術やブランドイメージが必要となる
この枠組みでの市場地位別競争戦略はリーダーが40%、チャレンジャーが30%、フォロワーが20%、ニッチャーが10%のシェアを持つ場合に最も当てはめいが良いと言われる