戦略的マーケティングとは「個々の製品やブランド単位では無く事業や企業単位で環境変化と自社経営資源の適合を志向するマーケティング」の事である
この考え方が生まれた背景は製品・ブランド単位の枠組みのマーケティングマネジメントでは複数製品や複数事業を有する企業や事業部での意思決定に活用しにくいからである、つまり戦略的マーケティングは経営者層の意思決定問題を考える為に生まれた
戦略的マーケティングでは複数の事業を持つ企業がどのように顧客や競争の変化に対応していくかを考える、その際の重要なのが「限られた経営資源をどのように分配するのか」と「計画・実行する戦略と環境・経営資源の適合性」である
成長戦略
限られた資源の分配を考える為にまずは全社レベルでの成長戦略を見据える必要がある。成長の方向性を整理する基本的な枠組みとして有名なのがアンゾフの「製品-市場戦略」である。開発・販売する製品が既製品か新製品か、販売対象が既存市場か新規市場かの2軸で整理する事で4つの成長戦略類型に分類できる
①市場浸透
自社にとって既存の製品を既存市場に提供しながら成長を図る
②市場開発
自社にとって既存製品を新規市場に提供して成長を図る
③製品開発
自社にとって新製品を既存市場に提供して成長を図る
④多角化
自社にとって新製品を新規市場に提供して成長を図る。多角化は既存事業との関連度合いによって「関連多角化」と「非関連多角化」の2つに分けられる。関連多角化は既存事業と何かしらの相乗効果が期待できるメリットがある、非関連多角化は新しい事業に乗り出す事になるので様々なリスクが想定されるので買収が有効となり、どちらかの事業が不振でももう一方には悪影響を及ぼさないというメリットがある