企業が長期に渡って平均以上の業績を維持する為には3つの基本戦略が存在する
コストリーダーシップ
コストリーダーシップとは業界内で他社よりも低いコストを実現する戦略で、市場シェアが大きな企業は経験効果(累積生産量が増えるに従ってコストが低下する効果)によって低コストを実現できる可能性が高い。他社と価格水準が同じであればコストリーダーシップを実現する事で高い収益を見込める、そのためさらに低価格を設定してシェアを更に高める事も可能となる。シェアが大きくなくとも独自の技術を持っていたり、他社よりも有利な原材料を確保できたり、自社の他事業との相乗効果が見込めたりする場合は低価格を実現できる可能性がる
差別化
顧客にとって価値があり、他社にはない特異性を実現する戦略で革新的・画期的な製品やサービスを開発したりブランドイメージを高める事で差別化による優位性が実現できる。価格が他社と変わらなければ差別化されている製品やサービスが選ばれるのでシェアを高められる。ただし差別化のタイプによっては模倣される事で優位性を失うこともある。機能や広告イメージによる差別化は模倣によって優位性を失いやすいがブランドイメージや独自チャネルの構築などの差別化は優位性を維持しやすい。差別化を実現するには相応のコストがかかるので一度差別化が実現できたらそれを維持させる努力が必要である
集中
特定の製品やサービス・特定の顧客セグメントに経営資源を集中する事でこの分野での優位性を獲得する戦略で、特定分野でコストリーダーシップを実現することを「コスト集中」、特定分野で差別化を実現することを「差別化集中」と言う。共に集中する範囲を上手く設定する事が重要で市場シェアが小さな企業が競争優位を獲得して高い収益性を得るにはどちらかのタイプの集中戦略が適切となる